福岡県太宰府市にあるスターバックスコーヒーへ行ってきました。「必ずここに行く」という思いを昨年、この店舗が完成した時から思っていましたが、意外と早くにその思いを実現することができました。
ここは「負ける建築」で有名な建築家の隈研吾さんの設計事務所(隈研吾都市設計事務所)が設計を手がけたものです。見た瞬間に「おお!」と声が出てしまいそうな独創的な建築ですよね。二千本にも及ぶ木を組み合わせて作られた空間には本当に圧倒させられました。
僕なんか建築のことは全く分かりませんが、以前何かの番組で隈研吾さんが出ておられるのものを見て、惹き付けられてしまいました。
隈さんの「負ける建築(本も出版されています)」とはまず、都会にある高層ビルや郊外の一戸建てを「勝つ建築」と考えます。多額のローンを組んで購入する住宅や同じようなデザインの住宅は都市で生活している人の精神を圧迫するし、周囲の環境とはまったく合わないと考え、それらを勝つ建築とし、その反対である負ける建築は周囲、自然とよく馴染み、柔軟性のある建築と考えるそうです。
建築家個人の美意識や独創性を重視するのではなく、周辺の環境へ配慮した建築をされています(
帝京大学小学校の建築もされておられます)。
今回の太宰府のスターバックスコーヒーも太宰府天満宮の表参道にある伝統的な建築物に溶け込むという目的があったそうです。
実際に、表参道を歩きながら店舗を探していたのですが、見つけた時に驚きました。確かに店舗のデザインそのものは「おお!すごい!」と驚くものなのですが、そこにあることに対しての違和感がないんです。自然に「とん」という感じで建っていました。
店舗の中も狭さを感じさせないんです。そして、なにより木のいい香りがしました。この匂いを嗅ぎながらのコーヒーを飲むという贅沢な時間を堪能させてもらいました。