今、養老孟司さんの「逆さメガネ」という本を読んでいます。その中の一部を紹介します。
【以前、大学の研究室で、ネズミを飼っていました。生まれた時から水や餌をやって、それを切らさないようにしてあります。そういうネズミは、なにもしません。檻から出しても逃げもしません。時々その姿が今の若者と重なります。そういうネズミを長く飼っていると情が移って、実験に使えなくなる…しょうがないから飼い殺しになっちゃう。餌は十分だし、ネズミは太っちゃう。なにをしてるかというと、暑い日にはひっくり返って腹を出して、上向いてねてます。ただし、口の先だけは吸水管にくっつけている。いつでも水が飲めるようにしてある。泰平のネズミ、まさに今の日本人ですな…これがいったん檻の外に出て、数日経ったらどうなるか。たちまちふつうのネズミになります。もう捕まりませんよ。机の縁を、ヒゲで恐る恐る触りながら歩いていた、あのネズミとは思えません。環境しだいで、生き物なんて、それほど違ってくるんです。だから教育なんです】
この話、孟母三遷とか門前の小僧…とかにもつながるんだと思います。
人って、特に子どもなどは良い意味でも悪い意味でもその環境に染まってしまうんですよね。
気をつけないといけないなと改めて思いました。
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