CSシリーズを制し、リーグ優勝を果たしたジャイアンツですが、10月7日に行われたリーグ最終戦で、ちょっといい話があったんです。
その日の試合前まで、ジャイアンツを支える坂本選手が170安打、長野選手が173安打という状況で最多安打賞を争っていました。
坂本選手は7回までに3安打を放ち、それまで無安打だった長野選手と173安打で並びました。そして、長野選手の打席が回ってきました。ここで、長野選手がヒットを打てば174安打で坂本選手を抜き、トップに立ちます。
しかし、長野選手が打席に立つ前に長野選手の気持ちを察した原監督が「この打席、どうしたいかは君にまかせるよ」と声をかけたそうです。
その言葉で長野選手は「僕は引っ込みます」と言って、打席に立たないという選択をしました。そして、ベンチに帰り、塁上にいる坂本選手に「一緒に最多安打のタイトルがとれたな!」という意味を込めて、ガッツポーズをしたんだとか。その姿に坂本選手は涙を浮かべていたそうです。
しかも、長野選手はこの試合2打席立っていますが、追いつこうとしている坂本選手のために安打は打てないと、しかしチームには貢献すべきだということで、必死に四球を狙っていたというんです。
原監督はこれを「ジャイアンツ愛」と呼びました。そして、坂本、長野選手は2人で最多安打のタイトルをとることになりました。
僕はこの話を聞いた時に、なにより原監督のすごさを感じました。選手の気持ちを察し、長野選手にどうしたいかを確認した姿、そして、なによりこの2人の関係を生んでいるのは原監督が作り出したチームの雰囲気じゃないかなと思ったんです。
それが今のジャイアンツなんじゃないかと。ただ、戦うだけの集団じゃないような気さえします。
まあこちらの一方的な想像なのですが、なんだかそう思ったんです。
良い指揮官、良いリーダーがいるからこそ、そのチーム、集団は良い雰囲気になっていくんでしょうね。分かりませんが、そんなことを思ったのでした。
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