僕は学生時代、剣道をしていました。中学校から始めて、高校までの6年間です。
高校の時には剣道を専門的に教えてくれる顧問の先生はいませんでした(外部のコーチはおられましたが、僕たちが高校2年の時に亡くなられました)。
ですので、優秀なキャプテンを中心に練習メニューや大会までの練習計画などは自分たちで考え、お互いに指導し合いながら毎日稽古をしていました。
その中で、稽古をするにあたり『量』を大切にするべきなのか、それとも『質』を大切にするべきなのかという話し合いを何度かしたのを覚えています。
ひたすらに稽古をして、ある程度のパターンや技を体に教え込ませる方がいいんじゃないのかという「量」の考え方。
一つひとつの技を集中して、考えて、くりだすことで、理想に近い技の練習を少しでも多くしていくことで量をこなさなくても短時間で技の精度を上げようという「質」の考え方。
それぞれの方法を試しながら、僕たちは「質」の練習に重点を置きながら、「量」の練習もしていくという方法を選びました。
今、思えば他にもいろいろな稽古の方法はあったと思います。力不足で、稽古不足だったということもあるんだと思います。まだまだ考えの甘い高校生が考える程度のことだったのかもしれません。
ですが、ふとその頃を思い出した時に、「いまの自分は毎日の生活の中での"質"を大切にしているのだろうか」と思ったんです。
毎日の生活を丁寧に集中して、地道にこつこつとやっていたのかなと。やっているつもりでした。でも、それは思い過ごしだったのかもしれないと思うことがあったからこそ、剣道をしていたあの頃を思い出したのではないでしょうか。
こうやって文章にしたり、口にするのは簡単なんですよね。でも、自分への意識づけの強い意味を込めて、ここに残しておきます。毎回こんな感じですが、何度も何度もこの繰り返しです。
”「反復」こそ、私たちの生に勇気と明るさとほがらかさを与えてくれるものです。私たちが「反復」への執拗な意志を失わないことが大切です。何一つとして語りつくされたことはなく、何一つとして理解されつくしたものなどない。”
返信削除(中沢新一「悪党的思考」より)
若い頃読んで印象にのこった箇所を思い出したので、書き写してみました。
うなります。そうですよね。右も左も分からない僕たちが反復の大切を軽んじてはいけませんね。その中でも、質の高い反復を心がけることも必要なんですかね?
削除こうやってコメントいただけるといろいろ考えるきっかけにもなるので、嬉しいです。グイグイきてください!笑