2013年9月18日水曜日

丁年人間の読書感想文①

読んだ本の感想は別のサイトで簡単にまとめているのですが、
何冊かに一冊くらいは少し長く感想を綴ってみようかなと思っています。



ずっと気になっていた朝井リョウさんの「何者」を先日読みました。
物語の内容としては、就職活動中の大学生の現実とTwitter上での
姿の多面性を見事に表現した作品という感じでしょうか。



とにかく僕たち世代には痛いほど体に染みてくる内容です。
読みながら、朝井さん、読者をいじめるな〜と最初は思っていました。
意識の高い人、頑張っていることをアピールする人、
自分は周りとは違う人間なんだと発信する人、
そんな人達を「なに言ってんだよみんな」と自分はさも傍観者であり、
客観的な人間であるというスタンスをとりながら発信する人。
そんな人達が登場します。



Twitterをやっていて、こういう人に遭遇したり、
自分もそういう意識で発信したりしていることは
よくあることだと思います。
理想の何者かになったつもりで
、またなりたくて発信している。
また、「あ〜ああんなことになっちゃって」、
「バカだね〜」という傍観者意識もあったりして。
そんな誰もが経験のあるあまり突かれたくない部分を
見事にあぶり出し、えぐってくる内容です。
でも、誰にでもある経験なんだろうと思います
(だからっていいという訳ではありませんよね)。
ですが、行き過ぎると何か大切なものを見失ってもしまう。



現実の世界とTwitterでの世界、
傾き過ぎるのではなく、現実にスタンスを置きながら、
動いていくことを教えてくれるような内容だったのかな。



批判という内容ではなく、どちらかといえば
そんな若者に向けた激励の作品であるような気がします。
現実でしか、何者になれないんだそんなメッセージも聞こえてくるようでした。
これ、読んだ後に、しばらくいろいろ考えてしまいますよ。
ぜひ、機会がある方は書店や図書館へ(回し者ではありませんので)。

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