(その男、気まぐれにつきの続編であります)
僕は彼の召使いではありません。
それは断じて違います。じゃあ友達かと言われれば、
ん〜ちょっと違う。
違わないんだけど、はまっていないというか。
つまり、定義できないのです。
よく分からない。だからと言って定義する気にもなれませんし、
する必要もないのだろうと思います。
そんな妙な関係です。はい。本当に妙だと思います。
そんな彼ですが、あまり人と関わるのが得意ではないように見えます。
他人である僕が彼の性格を「こうだ」と言うことはできませんので、
あくまでもそう、見えるということです。
人と関わるのが好きではないのかもしれません。
彼を見ていると、人との間に一定の線をひいているように見えます。
私以上に彼に対して深入りした人間を私は知りません。
しかし、その私もまた、そこまでの深入りはしていない。
そこにも何かがあります。ですが、
それはあっていいものなんだろうと思います。
彼は「そういう人」です。彼との関係はそれでいいんです。
そういう印象だから、
彼からは人の生臭さみたいなものはあまり感じませんでした。
何を考えているかよく分からない人間です。
だって、言わないんですから。本当に言わないんですよ。
自分のこと。ずるいくらいに。
もしかすると彼自身の器用さが関係しているのかもしれません。
彼自身も気がついていないくらい、
人との間にうまく線を引けるんじゃないでしょうか。
そんな男が今、泥臭く、生臭く動いています(たぶんだけどねー)。
人がたくさんいる大きな街で。
実際、近くで見ている訳ではないので、なんとも言えませんが、
泥臭く、生臭くあってほしいとも思います。
彼以外にも、もう一人おもしろい男がいます(いきなり登場)。
自分の意志は見せないように、さも意志などないように生きながら、
実はしっかりとした大きな柱のようなものを持っている。そんな人間です。
彼達をとても尊敬しています。
僕にないものをたくさん持っているからです。
だからといって、彼らは人の持っている物を欲しがりません。
そこが憎いぐらいにいいのです。
僕よりも何倍も大きな人達です。