行ってみたいと思っていた「足立美術館」に足を運べることができました。
足立美術館は米国の日本庭園専門雑誌が行っている日本庭園ランキングで12年連続で庭園日本一に選出されているということだったので、一度は訪れたいと思っていました。
足立美術館は地元安来市出身の足立全康氏が1971年に開館したものになります。
全康氏は実家の農業を手伝いながら村の商売の手伝いをしていくうちに、商売に深い関心をよせるようになり、14歳の頃、炭を運搬する傍らそれらを売ることで初めて商売を手がけることになったそうです。
そこから商才を発揮し、一代で財産を築いたそうです。
商売に向いている人というのはやっぱりいるのですかね。商売が好き、興味があるということなのかもしれませんが、僕にはあまり縁のない世界かなと今のところは思ったりします。
広大な日本庭園は「枯山水庭」「苔庭」「寿立庵の庭」「白砂青松庭」「池庭」「亀鶴の滝」の6つに分かれていて、面積は5万坪にもなるそうです。庭園に置かれている庭石や松などは全康氏が自ら全国を回り探してきたそうです。
開館の時の年齢が71歳だったことを思うとかなりアクティブな人だったのかもしれませんね。僕もいつまでもそのような気持ちは持っていたいなと思います。
庭園は専属の庭師やスッタフの方が毎日、手入れや掃除をしているそうです。
「庭園もまた一幅の絵画である」という言葉を全康氏が残していることからも、庭園を美しく維持することを大切にしていることを感じます。
「枯山水庭」
この枯山水庭は後ろの山も庭に取り込んだ借景を用いた庭園になっています。この写真の右側に「亀鶴の滝」があるのですが、なんとその滝は人工の滝なのだそうです。全康氏が「この庭には滝がいる」というようなことを思いついたらしく、ついに滝まで作ってしまったそうです。いや〜おもしろい方ですね。好きなものを極める姿勢は見習いたいですね。
「苔庭」
この苔庭ですが、樹木は全て斜めに植えられています。これは、樹木はもともと山の斜面に育ったものであるので、まっすぐに植えると樹木にとって負担であるという考えに基づいているそうです。
「池庭」
この池庭の池には鯉がたくさん泳いでいます。僕はこの庭が一番好きかもしれません。鯉の泳ぎを見ながらずっと見ていられる庭です。この庭は和風の庭と洋風的な建物との調和を考えた和洋折衷な庭になっています。
「白砂青松庭」
ここは横山大観の「白沙青松」が持つ清澄なイメージを庭園に表現したものになるそうです。
少し離れた所にある床の間に壁が切り取られた額のようなものがあり、そこからこの「白砂青松庭」を見るとまさに額におさめられた絵画のように見えます。「庭園もまた一幅の絵画である」という全康氏の言葉が聞こえてきそうですね。
そんな庭園を見ながら一息つける喫茶店があったり、おいしい食事が食べれるレストランがあったりします。とても贅沢な空間ですよ。
庭園だけはなく、美術館の中には日本画がたくさん収められていました。横山大観の絵画の横に全康氏のコメントがあるのですが、横山大観が大好きすぎてその作品をどうしても手に入れたかったという気持ちがにじみ出ている、なかなかおもしろいコメントの数々でそれを読むのもひとつの楽しみでもあるかもしれません。
あ、この美術館で同級生が働いていたのには驚きました。
とってもよくしていただき、感謝です。
また、秋に行ってみたいな〜。