「竜馬がゆく」をやっと全巻読み終わりました。
読み始めた頃は長い物語を読むことになるぞ、
というどこか気合いのような思いがあったのですが、
読み終わりが近づいてくると妙な寂しさを抱くようになっていました。
そして、読み終わるとやっぱりどこか寂しくなっている自分がいました。
なんだか竜馬とお別れをしたそんな気分にでもなっているのかもしれません。
もちろん、会ったこともないのですが、不思議な感覚ですね。
「竜馬がゆく」は司馬遼太郎が書いた全8巻からなる歴史小説です。
小説ですので、必ずしも事実ばかりではないのですが、
読むことで坂本龍馬の人生、成したことなどを知ることができました。
竜馬がゆくを読むまでは坂本龍馬に関する詳しいことはほとんど知らなかった
僕にはこの本で知ったこと、感じたことがたくさんありました。
龍馬だけではなく、幕末のこともほとんど知らなかったのですが、
読む前より格段に幕末、明治の時代について知りたくなっている自分がいます。
それもこの本を読むことで得られた嬉しいことでもあります。
そんな「竜馬がゆく」なのですが、
読んでいて竜馬の為人、性格を感じる文章がいくつかありました。
そんな竜馬の人柄から学ぶことがたくさんあったので、
いくつか紹介してみたいと思います。
「竜馬も、ニコニコした。その笑顔がひどく愛嬌があり、
(おお、みごとな男じゃ)と西郷はおもった。
漢は愛嬌こそ大事だと西郷はおもっている。
鈴虫が草の露を慕うように万人がその愛嬌に慕い寄り、
いつのまにか人を動かし世を動かし、大事をなすにいたると、
西郷はおもっている。
もっとも西郷の哲学とは愛嬌とは女の愛嬌ではない。
無欲と至誠からにじみ出る分泌液だとおもっている」
「竜馬は、議論しない。
議論などはよほど重大なときでもないかぎり、
してはならぬ、と自分にいいきかせている。
もし議論に勝ったとせよ。
相手の名誉を奪うだけのことである。
通常、人間は議論に負けても自分の所論や生き方は変えぬ生きものだし、
負けたあと、持つのは、負けた恨みだけである」
「人間に本来、上下はない。
浮世の位階というのは泰平の世の飾りものである。
天下が乱れてくれば、ぺこぺこ剥げるものだ。
事をなさんとすれば、智と勇と仁を蓄えねばならぬ」
『なるほど日本の危険をすくうために徳川幕府は倒したい。
しかしそのあとに樹立される革命政権の親玉になるなどは、竜馬はまっぴらである。
「おれにはもっと大きな志がある」「どんな?」
「日本の乱が片づけばこの国を去り、
太平洋と大西洋に船団をうかべて世界を相手に大仕事がしてみたい」』
少しではありますが、
これらの竜馬の言葉や、竜馬に対する見方を知ると
坂本竜馬ががどんな人物であったかのかを
この小説での竜馬を通して想像することができ、
より坂本龍馬という人を知りたくなります。
そして、この小説の中での竜馬の姿からは人としての大切さも教えられるようでもありました。
その中でも西郷が竜馬をみて思った
「無欲と至誠」には考えさせられます。
欲をそぎ落とすことで、満たされない思いは消え楽に生きられるようになり、
至誠(誠実)を持つことで、
自分が成し遂げたい思いに向かって進んでいけるのかもしれません。
無欲と至誠、生活でも仕事でも
どんな場面でも大切にしたいことだなと思いました。
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