10月2日に出雲大社神楽殿で能を見てきました。
能のことなんて全く分からないのですが多くの著書で知られる内田樹氏のお話もあるということと一度でいいから能を見てみたいという思いで行ってきました。
最初は内田さんとその日の能に出演なさる安田登さんとの対談でした。そこではこの日の演目である「羽衣」の解説を含めたお話が盛り上がりました。
そのお話から僕は人間と自然(人間を超越したもの)との関わり方というものを感じました。なんて表現したらいいのか分からないので、つまり表現できないので、書きませんがとにかく楽しい対談でした。この対談のおかげで能を少しだけ分かりやすく見ることができました。
「羽衣」が始まってからはずっと圧倒されていました。なんて言うのでしょうか、圧倒的な圧倒ではなく、「じわ〜」と染みてくるような圧倒が続いたかと思うと「ぐわぁ!」と持っていかれるような圧倒的な圧倒に襲われたりと今までに味わったことのない雰囲気がそこにはありました。
シテ(天女)という中心人物がいるのですが、その人が完全に主役という感じではないんです。個人的な感情なのでよく分かりませんが、舞台には天女がいて、笛、小鼓、大鼓、太鼓、地謡(これらを囃子方と呼ぶそうです)がいて、漁師がいてという感じに、この方達それぞれが舞台を盛り上げている感じがするんです。それぞれが独立しているのではなく、それぞれが共鳴し合っている。
天女を見て、次は漁師に目がいき、太鼓にいき、小鼓にいき、地謡にいきとどこを見てもいいんです。キョロキョロしているだけなのかもしれませんが。
特に囃子方には圧倒されました。ほとんどそこを見ていたように思います。常に誰もが無表情な姿には凄みを感じました。ですがやっぱり、天女の舞っている後ろには迫力ある神楽殿の内部が広がっていて、天女と神楽殿のコントラストにはしびれました。
とかなんとか言ってますが結局は僕自身全く消化できていません。
そんなことをする必要もないのかなと思っています。ただ圧倒され、あの世界観をウルトラ、スーパー受け身で見たということに意味があると思いたいんです。
刺激的な時間でした。
こんな風に今まで見たことのない世界を体感していきたいと思っています。
0 件のコメント:
コメントを投稿