2015年5月24日日曜日

マンホールの蓋

様々な場所を訪れると、その土地によってマンホールの蓋のデザインが
違うので、おもしろいなとついつい目がいってしまいます。
いくつか写真に撮っているものもあったりします。
そんな、マンホールの蓋なのですが、今日、近所を散歩していて、
自分が住む町にある蓋のデザインを見た時に、
マンホールの蓋のデザインって誰が決めているのだろう?と疑問が湧いてきました。


まず、現在の蓋の原型は明治から大正にかけて東大で教鞭をとると同時に、
内務省の技師として、上下水道の指導をしていた中島鋭治さんという方が
東京の下水道を設計する時に西洋のマンホールを参考に考案されたそうです。

ちなみにマンホールという言葉はman(人)、hole(穴)を組み合わせたものだそうです。
丸い形は蓋が穴の中に落ちないためであったり、
穴が開いているのは大量の雨水が管内に流れ込んできた時に、空気の逃げ場がないと
蓋がとんでしまうから蓋には穴が開けられています。
また、蓋の表面には車などが滑るのを防止するための凹凸があります。


で、デザインなのですが、昭和30年代に入って、大阪市や神戸市などが
独自の市型模様を定めて使用してきました。同時に構造などの開発に
当たった製造メーカーを中心に独自の模様が考案され、広まっていったそうです。
そこから昭和60年代に入り、当時の建設省公共下水道課建設専門官が
下水道事業のイメージアップと市民アピールのために、各市町村が独自の
オリジナルデザインマンホールにすることを提唱したことから、
デザイン化が進んだそうです。
下水道事業のイメージアップということから始まったのですね。
デザイン決定には、一般公募や役所の職員が考えたり、メーカーが考えたり
するものもあるようです。


下水道事業のイメージアップということから始まったのですね。
その後、デザインを競うコンテストのようなものも行なわれるようになり、
どんどん、デザイン化が進んだようです。


また、おもしろいのがマンホールのデザインに要求されるいくつかの点があるようです。

①飽きがこない
モチーフを生かした幾何学的模様など、長期間の使用に
耐えるデザインであること。


②非方向性
一方向だけから見た場合に、意味のわかるデザインでな
く、極力方向性のないデザインがのぞましい。

③耐久性
長期間の間に模様が磨滅されるが、磨滅による味わいがでるようなデザイン。

④素材感
鋳物の重量感、暖かさを感じるデザイン。

⑤地域個性
単純発想でなく、表現工夫がなされたデザイン。

⑥スリップ防止
道路と同等の走行性を持たせ、安全性を配慮したデザイン。


このような視点で様々な場所のマンホールを見るとまた違ったおもしろさを
感じれるかもしれませんね。他の地域のマンホールのデザインも気になってきました。
しかし、デザインもいいのですが、近年ではデザインを重視するばかりに
スリップを防止するという安全性が忘れられているものも見られるそうです。
デザインの素晴らしさももちろん大切ですが、
それは本来の目的があってこそなのかもしれませんね。
私自身もしっかりとそういう部分を大切にしないとなと
マンホールのことを調べていて教えてもらいました。

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