2015年7月5日日曜日

じっくり味わう絵巻②

妖怪を描いた絵巻「百鬼夜行絵巻(ひゃっきやぎょうえまき)」も
見ることができました。
この絵巻には獣が化けた物や、付喪神(つくもがみ)という使い古された道具の妖怪たちが羅列して描かれている様子が行列のようだからということで、百鬼夜行絵巻と呼ばれています。現物の写真がなくて分かりにくいですが、ここに描かれた妖怪たちはとても可愛らしく?怖いや不気味というより、どこかキャラクター性を持った描かれ方をしていて、
ちょっと昔でいう所のポケモン図鑑を見るようなおもしろさもありました。



具体的に見ていくと、笠の妖怪、糸巻きの妖怪、小槌の妖怪、破れうちわの妖怪、巾着の妖怪、櫂(水をかいて舟を進める道具)の妖怪、茶釜の妖怪など様々でした。
今の子どもたちにとっては、馴染みのない道具も多いですが、見たことやまだまだ使っている道具もありますね。また、この絵巻から昔はこんな道具を使っていたんだなと知ることもできるかもしれませんね。


以前、九州国立博物館に行った時に「針聞書(はりききがき)」という体にいるとされる虫の図とその治療法などが書かれた展示物も見ました。
馬カンという心臓にいるとされる虫や肺虫という肺にいる虫などがユーモラスな表現で描かれていて、とてもおもしろかったのを覚えています。
          (馬カン)        (肺虫)

かつての人は目に見えない存在をこのようにユーモラスたっぷりに表現していたのですね。それは遊び心もあるのでしょうが、それと同じくらい真面目に想像していたのではないかと思います。そして、それは世の中は様々な存在が混在しながら成り立っているという感覚も感じていたからではないでしょうか。この自分だけが自分の中心ではない、世の中の中心ではないという感覚はとても大切なことなのかもしれませんね。





(八雲の図の実物大)





常設展の中にはこのようなものもありました。相撲の始まりは出雲の野見宿禰(のみのすくね)と大和の当麻蹴速(たいまのけはや)が力くらべをしたことによるそうです。
当時松江藩は強豪力士を独占したようで、あの雷電為右衛門も松江藩お抱えの力士だったことは有名ですね。この手形もある力士の十歳の大きさのものだそうです。手を合わせると「どすこい!」なんて声を発するのでちょっと恥ずかしいのですが、そのあまりの大きさに驚いてしまいました。
当時の強豪力士を少しでも感じることのできる展示で、参考にもなりました。


お昼はこのようなお庭が見えるカフェで食事をすることもできます。




またそこでは、「四隅突出型墳丘墓」カレーというなかなか遊び心満載のカレーも頂くことができます。四隅突出型墳丘墓とは弥生時代中期以降に山陰地方や各地で作られたもので、その名の通り四隅が突出した形のお墓になります。これをカレーにするセンス、またスプーンが「発掘でもしてください」というようなスッコプ型というのもなかなか粋ですね。
ちなみに、あの島根の吉田くんで有名な蛙男商会制作の「古墳GALのコフィー」というフラッシュアニメに四隅突出型墳丘墓のダニエルくんというキャラクターも登場します。







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