2014年5月21日水曜日

修業論

内田樹さんの「修業論」を読みました。自分の中で整理しておきたかったので、
この場で少し紹介します。




無敵についていろいろと書かれてあったのですが、その中に、
「敵とは心身のパフォーマンスを低下させるすべてのファクターのことである...敵をそう定義すると無敵とはこれはすべてのファクターが一掃された状態であるということになる。つまり、腹もくださず、風邪も引かず、年も取らず、経済的不安がなく、親も子も配偶者もいない人間が無敵だということになる」とありました。
これだと敵の存在(不安)が消えることはありませんよね。



では、そうすれば無敵(天下無双)になれるのでしょうか。
そこで、またこのように書かれてあります。
「天下に敵なしとは、敵を存在してはならないものと捉えないということである。風邪を引いたら、生まれたときからずっと風邪を引いていたかのようにふるまい、雷撃に打たれたら生まれてからずっと雷撃に打たれ続けてきたかのようにふるまうことができる。そのような心身のモードの切り替えができる人にとってはじめて、天下は無敵である」と仰られいます。



これは究極の形なのかもしれませんが、
このような考え方ができれば随分と楽に生きれるのかもしれないなと思いました。
生まれてからずっと風邪を引いていたかのようにふるまうということは、
その状態を受け入れるということになるのかもしれません。
受け入れることで楽になったり、
解決する方法が見えてくるような気がします。
起きたことにクヨクヨしたり、
受け入れることができずにどうにかならないかともがいたり、
起こってもいないことをグズグズ悩んでいてもどうにもなりませんよね。



敵を作って、誰かより秀でようとしたり、目立とうとすることが一番先にきてしまうと生き辛くなりますね。そんな時代だからこそ、こんな考え方をする方がちょうどいいのかもしれません。グズグズ悩んでしまう自分に向けた励ましです。


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