2015年9月6日日曜日

玉虫

先日、園庭で玉虫を見つけました。


玉虫の色、きれいですよね。
僕はこの玉虫が好きなのですが、
不思議と子どもの頃はほとんど見たことがありませんでした。
当時も、「玉虫を見てみたいな」と思っていたのですが、
なかなかその機会に恵まれずにいました。
ですが、大人になった今では結構な頻度で玉虫を見かけるようになりました。
そのほとんどを職場の近くで見ているのですが、子どもの頃住んでいた場所と職場は離れています。虫の分布の違いがあるのかもしれませんね。


そんな玉虫ですが、写真のように美しい外見をしていることから古来より、
大切に扱われてきました。本当にきれいですよね。
全体に緑色の光沢があり、背中には赤と緑の縦じまが入っています。
虫の天敵である鳥は「色が変わるもの」を怖がる性質があるため、
この玉虫にはあまり鳥は近づかないそうです。
鳥は色が変わるものが怖いんですね。
だから、畑や田んぼにはCDだったり、
キラキラとしてテープがつるしてあったりすんですね。


古来より大切に扱われてきたといいましたが、
この玉虫は卵をりんごや槇などの樹皮の割れ目や傷跡に生み付けます。
そうすると、幼虫は幹の奥深くに穴を掘って幹を食べてしまうので、
木が弱ってしまい風雨で木が折れたり、倒木につながってしまうということで、
果樹園の方や庭師の方などには害虫ということで、結構嫌われているそうです。
玉虫も生きていくため、
子孫を残すためにやっていることなので罪はないのですが、
人の都合で害虫になってしまうというのもまた
現代では仕方のないことなのかもしれませんね。


現代では害虫としてみられてしまうこともありますが、
この玉虫の金属光沢は死んだ後も色あせることがないため、
装身具(指輪やネックレス、ペンダントなど)に加工されたりしてきました。
その中でも「玉虫厨子(たまむしずし)」というのが有名ですね。
玉虫厨子は法隆寺が所蔵する仏教工芸品で、
装飾に玉虫の羽が使われてある国宝の工芸品です。
「厨子」を調べると「仏像などの礼拝対象を納めて屋内に安置する、
屋根付きの工作物」とあります。
しかし、現在の玉虫厨子には玉虫の羽の部分はほとんどなくなっているそうです。


そんな玉虫厨子を復活させようと「平成の玉虫厨子」と銘打って約4000人もの職人さんが集まり2004〜2007年という約4年の歳月をかけ美し玉虫厨子を復活させたそうです。しかもこれ、岐阜県の造園業をしておられる方が一億円をこえる私費を投じて完成させたということでさらに驚きました。
さらに驚いたのが、この平成の玉虫厨子に使われた玉虫の数です。
なんと2万匹以上の玉虫の羽が使われたそうです。
ネットなどでこの厨子を見ることができますが、とても美しいです。
一度は見てみたいなと思いますが、2万匹の玉虫はどうやって手に入れたのですかね。
地道に捕まえるのは途方もない感じがします。
玉虫を養殖していたのですかね。


玉虫、実際に見てみると本当にきれいで、
ずっと見ていても飽きないので、ぜひ見かけた際は近づいて見てみてください。
その美しさにうっとりしてしまいますよ。
あ、ですが、すぐに飛んでいったり、
ぽろぽろとかわいいウンチをするので少しだけお気をつけ下さい。






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